皆さんこんにちわ、masatoです。
今回はトランペットの基礎練習としてはおそらく一番最初に行うであろう【ロングトーン】についてお話させていただこうと思います。
ロングトーンですが、私も中学の頃からいやというほど練習してきました。現在でもそうです。やっていることはただ単純に音をまっすぐに吹くというだけではありますが、非常に奥が深くそれでいてとても意味のある練習だと私は思っています。
それと同時に単純な練習ゆえの難しさもあり、方向性を間違えるとコンディションの悪化にもなったりします。一部の方からはロングトーン不要論まで出てくるぐらいなのです。そんなロングトーンですが、あることに気を付けながら練習をするだけでみるみる音色が変り、トランペットを吹く耐久力が向上したり、ほんといい事だらけの結果が待っています。
では早速始めていきましょう‼
1 ロングトーンの必要性と意義
おそらく世間の中高生を始めトランペットを演奏されている方々でロングトーンをされてない方は非常に少ないと思われます。しかしその重要性に気付いてさらにはそれを実践しながら練習されている方は、これまた非常に少ないのではと思うのです。大人であってもロングトーンは昔からやっているから習慣として何となくやっている方が多いのです。
ではロングトーンで必要な事とは、一体なんなのでしょうか?
これはあくまで私の経験と、プロ含めたいろいろな方との話の中で導き出した結果が
とにかく自分の音を聞く、自分の体の状態をリサーチする
ということなのです。ロングトーンはその名の通り音を長く伸ばすことです。単純作業なんです。だからこそご自分の出しているトランペットの音色をよく聞いてそれが良い状態なのかそうでないのかを判断できるようになる必要があります。本当に初心者の方でしたら何が良いのかが判断つきにくい場合もあるでしょう。そんな時は第3者の方に聞いてもらってその時の状況なりの良い状態を判断してもらいましょう。
自分の音をよく聞く習慣がつけば必ず段々とよい音が鳴ってくるようになります。そしてよい音が出た時の体の状態をよく観察してみてください。いい音が鳴った時には体の状態もある一定の状態になっているはずです。その時の体の姿勢、楽器の構え方、楽器に息を吹き込むときの量、スピード、温かさ。今日より明日、明日より明後日とやり続けることが重要です。私たちがやっていることは音楽なのですが、一種アスリートのような地道な作業の積み重ねが数ヶ月後のあなたの上達に起因してくるのです。一番簡単であって一番難しい練習なのかもしれませんね。
2 ロングトーン練習で陥る失敗例(私の経験)
私も学生時代からロングトーンを続けているのですが、いい状態でロングトーンできてるなぁと言えるのは社会人になってしばらくたってから位かなと思っています。今からお話しするのは全て私の学生時代の話なのです。
私の中学は吹奏楽部としては全く無名でした。そのおかげで何のストレスもなく良い悪いは置いといて自由に演奏していました。もちろんそんなにうまくはなかったんだと思います。そんな私が選んだ高校は当時全国大会金賞とるような名門校でした。期待に胸躍らせて入部した吹奏楽部で待っていたのはがちがちのロングトーンでした。
立ち位置を決められ、楽器の構え方を決められ、楽器の持つ角度も決められ、当時の私の感想は毎日ロボットになったような気分でした。あまりに型にはめられすぎて体全体が力んでしまいうまく体を使えていない状態になっていました。当然当時の私はそんなことも気づくことができず、日に日にコンディションを崩し、崩したことで先輩に怒られ、モチベーションを維持することができず現在で言うところの病むという状態になり復活に時間がかかった苦い思い出があります。
大学時代も同様に吹奏楽の名門大学に進学したわけですが、ここでもロングトーンに悩まされることとなりました。高校時代にかなり鍛えられていたので、メンタルが崩壊するようなことはありませんでしたが、ここではセクションロングトーンという名の地獄がありましてtempo60で32拍を休むことなく1時間30分くらい吹き続けるというまさに行があり、ここでも体の力みからコンディションを崩してしまうことになりました。しかし高校時代の経験から何とか短い期間で乗り切ることはできました。があまり思い出したくない過去ですね。
ロングトーン練習で怖いのは体への負荷です。そしてその怖さは頑張っているからこそ発生してしまっているということに気付くのに時間がかかることがあるのです。練習は頑張るものなのですが、頑張りすぎは体の力みにつながりトランペットの演奏にはマイナスになってしまうのです。
3 ロングトーン練習の効果倍増させるために有効なポイント
上記2の反省から私なりにロングトーン練習の効果を倍増させるポイントを上げさせていただきます。
お恥ずかしながら私がロングトーンの練習で最初に行う練習の実際の音です。
声で発生した後に楽器で演奏を繰り返すことで、楽器に自然な息が送れるようにしていく練習です。
【発生と交互に演奏することで息の流れを意識したロングトーン】
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メトロノームを必ず使うこと
いきなり普通なこと言って~と言われそうですが、ロングトーンに必要な要素としてブレスコントロールが挙げられます。要は8拍吹くなら8拍分の息を吸うということです。それをメトロノームなしの自分の自由なtempoで演奏すると時間がぶれるので、そのブレスコントロールがうまく鍛えられません。地味ですがこの感覚わかりだすと演奏がとても楽になります。
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音と音の間にたっぷりブレス(息継ぎ)の時間をとること
要は8拍吹いたなら次の音を吹くまでに4拍間は空けて次の音の準備ができるようにすることです。ブレスの4拍間にまず残っている息を吐ききってから新鮮な息を吸うように心がけましょう。
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慣れてくれば負荷を徐々に上げていこう(伸ばす拍数を増やす)
8拍伸ばすことに余裕が出てきたら、12拍、16拍と負荷をかけワンブレスで伸ばせる拍数を増やしてください。まさにフィットネスジムのウエイトトレーニングの要領です。これができてくると今後説明する基礎練習が格段にはかどります。
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クレシェンド、デクレシェンドを取り入れる
これも負荷をかける一環です。ブレスコントロールが難しくなってきますのでうまく最後まで息が持つこと、クレシェンド、デクレシェンドの形が正確なのかをよく聞き分けてください
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やりすぎ注意!!
ロングトーンは耳の訓練とブレスコントロールの負荷を高めるのである程度キツイ練習なのですが、よくご自分の体を観察し過度に疲労しているときは一旦休憩を入れてリラックスした状態で練習に励んでください。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回はロングトーンについてお伝えしてきました。
冒頭にも言いましたが、ロングトーンは単純ですが非常に奥が深く、あらゆる練習メニューの中でも一番自分自身に向き合う練習の一つです。私の経験でもお伝えしたようにロングトーン練習で一番陥りやすいのが力みが出てしまうこと、単純な練習ゆえに何気なく時間を過ごしてしまうことです。
自分自身に向き合うとは、ご自分の音をよく聞くこと、ご自分の体の状態をよくリサーチすることです。この大前提を守りながらだんだん負荷をかけトレーニングしていくことであなたのトランペットの基礎力はグッと向上し、その他のテクニックを相乗効果でよくなっていく傾向があります。
普段あまりロングトーンやっておられない方も試しにもう一度チャレンジしてみませんか?一段階上の景色が見れるかもしれませんね。
今回も最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。いつもながらに私の経験に基づく中での一つの意見として扱っていただけますと光栄です。わからない部分やロングトーンでお悩みの方おられましたら、お気軽にお問合せください。
それでは次の記事でお会いしましょう。
masato